寝起きにぐるぐる回るめまい

50歳代 女性 接客業

2週間前に突然めまいに襲われたが、治まったと思ったらその1週間後から毎朝に寝起きにぐるぐる回るめまいが続いている。

めまいは毎年1回は発症してすぐに治まっていたが、今回はなかなか治らないので、来院に至った。

【検査からの身体所見】

首の回旋(左右を向く)に可動域制限があり、右を向くと首筋が詰まる感じがした。動かしづらさを本人も自覚していた。

頚椎の上の方に強いコリがあり、肩甲骨の内側は甲羅を背負ったようなコリが強い。

首と背中の境目がわからないような首肩こりの酷さ。咬筋(アゴの筋肉)に強い緊張があり、本人も食いしばりを自覚。

当院での施術

●初診(2月22日)

・整体術:頚椎の回旋導引

⇒頚椎の可動域の回復、首周囲の緊張緩和

・整体術:座骨へのアプローチ

⇒肩こりの原因である座骨周辺の緊張緩和

・鍼施術:後稽、外谷、合谷、会宗、築賓、飛鷹など

⇒胸鎖乳突筋の緊張緩和による首の回旋運動の改善、背中の張りを緩和させるツボ

●2診目(2月24日)・3診目(2月29日)・4診目(3月6日)・5診目(3月11日)・6診目(3月18日)

初診と同じ

※鍼施術ではその日の体調により使用するツボが多少変更

●7診目(3月25日)8診目(4月4日)

症状改善に伴い、通院間隔を2週間おきにあけて体調が崩れないか経過観察とした。その後症状が再発することなく健常な状態を維持している。

症状の分析と治療の推移

【症状の分析】

飲食店でのウエイトレスをしているため、重たい食器を運ぶことが多いので慢性的に手や腕の筋肉の緊張が生まれて、それが原因で胸鎖乳突筋を中心とした首コリが生じていた。

その証拠に首の回旋運動において常に違和感があり、その首を支える背中の筋肉(肩甲骨内縁)にも強いコリが発生していた。このことから、食いしばりも発生していた。

食いしばり症状は早期の段階で解消した。

また、立ち仕事からふくらはぎが慢性的に緊張していたため、全身の血液循環を悪くしていた。

この胸鎖乳突筋とふくらはぎの緊張が原因でめまいが発症していた。

【治療の推移】

初回から4回目までの間はめまいは続いていた。6回目にはめまいの頻度は減ってきていたが依然として寝起きのめまいは起きていた。

7回目には1週間で一度もめまいが無かったので、経過観察のために2週間の間隔をあけてみた。その結果、2週間後にはめまいを起こす日は一度もなかった。

この方は仕事の癖で首コリが増加しやすい方なので、この首コリが悪化してめまいが再発する恐れがあった。本人自身が定期的な身体のメンテナンスが必要なことを認識したため、月に1~2回のメンテナンスのための通院を続けている。

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