バイク事故後、首を右に向く・前かがみで起こるふわふわめまい

女性 40 代
担当鍼灸師:渡辺 賢司

来院する約1カ月前、海外滞在中にバイク事故に遭い、左半身を下にした状態で横転しました。

事故後から、それまでにはなかった「頭全体がふわふわするようなめまい」が現れるようになりました。

常にめまいが続いているわけではなく、特定の動作をしたときに症状が出やすいことが特徴でした。

特に、

  • 朝、起床して身体を起こしたとき
  • 右側から話しかけられ、首を右へ向けたとき
  • 洗面時などに身体を前へ倒したとき

に、頭がふわっと揺れるようなめまいを感じていました。

症状の回数には日によって差があるものの、めまいはほぼ毎日出現。仕事は続けることができていましたが、日常の何気ない動作のたびにめまいが起こるため、強い煩わしさを感じていました。

医療機関も受診し、三半規管や前庭神経などの影響ではないかとの説明を受けていました。

また、事故以前から慢性的な首肩こりがありましたが、事故後は特に身体を動かしたときとめまいとの関連を強く感じるようになり、改善を希望して当院へ来院されました。

通院頻度・回数

週1~2回 計4回

施術と経過

●初診時の所見

初診時に身体を確認すると、特に目立っていたのが左耳の後ろにある翳風付近から首の側面にかけての緊張でした。

さらに首を左右へ動かしてもらうと、右へ振り向く動作に制限があり、左右で首の動きに明らかな違いが認められました。

今回の症例で重要だったのは、めまいが事故後から始まっていることに加えて、

「右から話しかけられて首を右へ向けたときにめまいがする」

という、首の動きと症状の出現に明確な関連があったことです。

当院では、ふらつき・揺れるようなめまいが続く方では、首こり、とくに首の側面の緊張によって身体の左右のバランスが崩れていることがあると考えています。

ただし、緊張している首へ直接鍼をすればよいとは考えていません。

首こりを作る原因は、仕事内容や生活習慣、身体の使い方などによって一人ひとり異なるため、「なぜ首が緊張しているのか」という原因を身体全体から探すことを重視しています。

今回の場合は、海外でのバイク事故で左半身を下にして横転したことが大きなきっかけでした。

事故による衝撃や、その後身体をかばう動きによって骨盤や上半身に左右差が生じ、それが首の側面の緊張につながっているのではないかと考えました。

そこで、首そのものに集中的に施術するのではなく、骨盤と手首から首の動きと身体の左右バランスを整えることを施術の中心としました。

● 施術後の経過

【初回】

初回は、身体の左右差を整える目的で、左の骨盤・左手首・右の骨盤にあるツボへ鍼を行いました。

特に今回の施術では、首の緊張している場所へ直接鍼をするのではなく、骨盤や手首から首の緊張がどのように変化するかを確認しながら進めました。

施術後には、それまで感じていた肩こりが軽減。さらに、初診時に左右差がみられた首の右回旋の可動域にも改善がみられました。

めまいについても施術直後は程度が軽くなりました。

ただし、その状態がずっと続いたわけではなく、時間が経過すると「また以前と同じくらいのめまいを感じる」とのことでした。

初回で身体の動きと症状の両方に変化が確認できたことから、同じ方向性で継続することにしました。

【2回目】

2回目も初回と同様に、症状が出ている頭や首だけを施術するのではなく、骨盤と手首を中心に施術しました。

事故後から続いていた身体の左右差と首周囲の緊張が安定することを目的に施術を継続しました。

初回と比較すると、日常生活の中でめまいを感じる頻度や強さが少しずつ低下してきました。

【3回目】

3回目になると、起床時や首を右へ向けたとき、洗面時に前かがみになったときに感じていたふわふわ感が大きく減少しました。

患者さんからも、「日常生活の中でめまいがほとんど気にならなくなってきた」との報告がありました。

首肩の状態についても初診時より緊張が軽減し、右を向く動作もスムーズになっていました。

【4回目】

症状が再び強くなっていないことを確認しながら、身体の状態を整える目的で施術を行いました。

事故後から毎日のように感じていためまいは気にならない状態が維持されており、新たな症状も認められませんでした。

そのため、計4回で今回の継続施術を終了しました。

使用したツボ(施術部位)

臀蓋

骨盤(臀部)にあるツボ、身体の左右バランスを調整する目的で使用しました

養老

手首にあるツボ、顎関節~首周囲の緊張と首の動きを整える目的で使用しました。

膀胱兪

事故後に生じた骨盤周囲の左右差や身体の緊張を整える目的で使用しました。

まとめ:当院(鍼灸TAKA)の症状の分析

今回の症例で最も特徴的だったのは、バイク事故後からめまいが始まり、「首を右へ向ける」「前かがみになる」「起床する」といった身体の動きによって症状が誘発されていたことです。

初診時には、左の翳風付近から首の側面に強い緊張があり、首を右へ向ける可動域にも左右差が確認されました。

当院では、ふらつき・揺れ系のめまいでは、首の側面や顎周囲の緊張によって身体の左右のバランス感覚が乱れ、それが症状に関係している場合があると考えています。

 

しかし、重要なのは「首がこっているから首に鍼をする」ということではありません。

当院の症状別ページでも説明しているように、首こりを作る原因は、仕事内容や生活習慣、身体の使い方などによって一人ひとり異なるため、その人に首こりを生じさせている原因を探すことを重視しています。

今回の場合、その原因として特に注目したのがバイク事故による身体への衝撃と、その後に生じた身体の左右差でした。

左半身を下にして転倒したことで身体のバランスが変化し、その影響が骨盤から首へ連動して、左の首側面の緊張や首の右回旋制限として現れていたのではないかと考えました。

そのため、緊張している首を直接狙うのではなく、左右の骨盤と手首のツボから身体のバランスを整え、結果として首の緊張を緩める施術を行いました。

 

実際、初回施術後から首の右回旋可動域が改善し、それと同時にめまいにも変化が現れました。その後も同じ考え方で施術を継続したところ、3回目には日常生活でめまいがほとんど気にならない状態になりました。

 

この症例は、

バイク事故による身体への衝撃→ 身体の左右差が生じる→首の側面の緊張が強くなる→ 首や身体を動かした際にめまいが起こる

という流れが特徴的だった症例と考えています。

 

ふらつき・揺れ系めまいでは、単にめまいそのものを見るだけでなく、どのようなきっかけで始まったのか、どの動作で症状が出るのか、首の動きや身体の左右差に特徴がないかまで確認することが重要です。

今回のように身体の特徴を確認し、首の緊張を作っている原因を探したうえで施術を組み立てることが、症状の改善につながったと考えています。

同じようなめまいでお悩みの方へ

「事故や転倒のあとからめまいが始まった」

「首を振り向くとふわっとする」

「朝起きたときにめまいがする」

「洗面や家事で前かがみになるとふらつく」

このような症状が続いている場合、まずは医療機関を受診し、耳や脳などに問題がないか必要な検査を受けることが大切です。

一方、検査後もめまいが続いている方では、首の側面の緊張や身体の左右バランス、さらにその首こりを作っている身体のクセや緊張にも目を向ける必要があると当院では考えています。

今回の症例のように、事故や転倒など明確なきっかけがあり、その後から身体や首を動かすとふわふわする・揺れるようなめまいが続いている方は、鍼灸TAKAへご相談ください。

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