
名古屋市緑区の鍼灸院【自律神経専門】
鍼灸TAKA
〒458-0924 愛知県名古屋市緑区有松3408(名鉄本線有松駅から徒歩8分)
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60代の患者様が、左耳の「ボーン」とした耳閉感(詰まり感)を主訴に来院されました。
症状が始まったのは来院の約1週間前でした。朝起きたときから突然、左耳が塞がったような感覚が現れ、ご本人はその状態を「トンネルの中にいるような感じ」と表現されていました。
何かに集中しているときには一時的に気にならないこともありましたが、基本的には一日の大部分で耳の違和感を感じていました。
特に「このまま耳が詰まった状態が続くのではないか」「耳に何か問題があるのではないか」という不安が強く、耳閉感そのものだけでなく、症状を常に意識してしまうことも日常生活での負担となっていました。
そこで耳鼻科を受診し、聴力検査を受けましたが、明らかな聴力低下は認められませんでした。
聞こえそのものには大きな問題がないにもかかわらず、本人には明確な左耳の詰まり感が残っている状態でした。
また、耳閉感に加えて眼精疲労も併発しており、目の疲れとともに首肩周囲にも負担を感じていました。
病院の検査では聴力に問題がないものの、左耳の違和感が改善せず、不安も続いていたため鍼治療を希望して来院されました。
週1~2回 計4回
●初診時の所見
初診では耳周囲だけを見るのではなく、首・肩を中心に身体の状態を確認しました。
触診すると、首から肩にかけて明確な張りが認められました。
今回の症例では耳鼻科の検査で聴力低下が確認されていなかったことに加え、眼精疲労も併発していたことから、耳だけを局所的に刺激するのではなく、首肩を含めた身体の緊張を整えることを施術方針としました。
そこで、臀部・下腿・手のツボを使用して鍼施術を行いました。
耳閉感があるからといって耳の周囲に多くの鍼をするのではなく、触診で確認された首肩の張りを指標として、身体の離れた部位から緊張を整えていきました。
初回施術後に再び身体の状態を確認すると、来院時にみられた首の張りが和らいでいました。
それとともに患者様からも、左耳の「ボーン」とした耳閉感が軽くなったとの変化が確認できました。
【第1回目】
臀部・下腿・手のツボを中心に施術しました。
施術後には首の張りが軽減し、それと同時に左耳の閉塞感についても軽減がみられました。
初回から身体の緊張と耳閉感の両方に変化が確認できたため、2回目以降も基本的には同じ方針で施術を継続しました。
【第2回目】
2回目の施術後には、来院のきっかけとなった左耳の耳閉感が消失しました。
それまで感じていた「ボーン」という感覚や、「トンネルの中にいるような感じ」も気にならなくなりました。
耳の違和感がなくなったことで、症状に対する不安も軽減し、日常生活の中で耳を意識することも少なくなりました。
【第3~4回目】
耳閉感が改善した後も、身体の状態を確認しながら施術を継続しました。
施術期間中に左耳の閉塞感が再び強くなることはなく、新たな耳症状も認められませんでした。
また、当初併発していた眼精疲労についても軽減しました。
計4回の施術を行い、耳閉感の改善が維持されていることを確認しました。
膀胱兪 L
骨盤周囲から身体全体の緊張を調整する目的で使用しました。
百会
頭部のツボから身体全体の緊張を調整する目的で使用しました。
築賓 L
ふくらはぎから首・肩の緊張を調整する目的で使用しました。
飛揚 L
ふくらはぎから首・肩の緊張を整える目的で使用しました。
開魄 L
首(胸鎖乳突筋)から耳周囲にかけての緊張を整える目的で使用しました。
※実際の施術では、その日の身体の状態を確認したうえで使用するツボを選択しています。
※以上のツボ以外にも合計10か所以下を施術
今回の症例で特徴的だったのは、本人には強い左耳の閉塞感があるにもかかわらず、耳鼻科の聴力検査では聴力低下が認められなかったことです。
耳閉感というと、「耳が聞こえにくくなった状態」と考えられがちですが、実際には今回のように、聴力検査では問題が確認されなくても、
「耳がボーンとする」
「耳が塞がっているように感じる」
「トンネルの中にいるような感覚がある」
といった耳の違和感を訴える方もいます。
今回の場合、症状は一日中まったく同じ強さではなく、何かに集中しているときには一時的に気にならないこともありました。
一方で、普段はほとんどの時間で耳の詰まりを感じており、症状そのものに対する不安も強くなっていました。
当院で身体の状態を確認すると、耳そのものよりも首・肩の張りが目立っていたことも特徴です。
さらに眼精疲労も併発していたことから、鍼灸TAKAでは今回の耳閉感を耳だけの問題として捉えるのではなく、目の疲労や首肩の緊張を含めた身体の状態と合わせて考える必要がある症例と判断しました。
そこで耳周囲を集中的に刺激するのではなく、臀部・下腿・手など離れた部位のツボを使用し、首肩の緊張を整えることを目的として施術を行いました。
その結果、初回施術後には首の張りと耳閉感の両方が軽減し、2回目の施術後には「トンネルの中にいるような」左耳の閉塞感が消失しました。
さらに施術を継続することで耳閉感の改善が維持され、併発していた眼精疲労にも軽減がみられました。
この経過から当院では、耳鼻科の検査で聴力に問題が認められない耳閉感であっても、首肩などに強い緊張がみられる場合には、耳だけではなく身体全体の状態を確認することが重要だと考えています。
もちろん、耳閉感には中耳・内耳をはじめさまざまな原因が考えられます。
そのため、突然耳が詰まった場合や、聞こえにくさ・耳鳴り・めまいなどを伴う場合には、まず耳鼻科を受診して必要な検査を受けることが大切です。
そのうえで、「聴力検査では異常なしと言われたのに耳が詰まっている」「病院では問題がないと言われたけれど耳の違和感が続いている」という場合には、首肩など身体の状態にも目を向けることが改善の糸口になる可能性があると当院では考えています。
「耳鼻科では問題ないと言われたけれど、耳の詰まりが取れない」「トンネルの中にいるような違和感が続いて不安」という方は、耳だけではなく首肩などの身体の緊張が強くなっていないか確認してみることも一つです。
耳閉感の感じ方や併発している症状は一人ひとり異なります。
「自分の耳閉感も鍼治療の対象になる?」「聴力検査では異常なしだったけれど相談しても大丈夫?」という方は、現在の症状やこれまでの検査・治療経過を添えて、まずはお気軽にご相談ください。
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