コロナ罹患後、聴力回復後も残った左耳の詰まり感

男性・20 代
担当鍼灸師:渡辺 賢司

来院のおよそ1ヶ月前に新型コロナウイルスに罹患し、その後から左耳が詰まったような耳閉感を感じるようになりました。

耳の詰まり感は常に同じ強さではなく、日によって波がありました。特に、

  • 朝方に耳が詰まっている感じが強い
  • 密閉された空間にいると気になりやすい
  • 天候が悪くなると症状が強くなる

といった特徴がありました。

耳の違和感が続くことで精神的にも落ち込みやすくなり、「このまま耳の症状が続くのではないか」という不安も抱えていました。

 

医療機関を受診したところ、低音障害型感音性難聴の疑いと診断されました。その後、聴力そのものは回復したものの、左耳の詰まり感だけが残っている状態でした。

また耳症状以外にも、唾液を飲み込んだ際に喉に違和感を覚えることがありました。

耳の聞こえ自体は戻っているにもかかわらず、「耳の中に何かが残っているような感じ」「耳が抜けきらないような感覚」が続いていることが、今回の大きな悩みでした。

通院頻度・回数

週1~2回 計14回

施術と経過

●初診時の所見

初診時に身体の状態を確認したところ、特に目立っていたのが首から肩にかけての強い緊張でした。

肩上部には著明な張りがあり、頸部にも強い筋緊張が認められました。

今回の症例では、耳そのものだけを見るのではなく、こうした首・肩周囲の状態を確認しながら施術を組み立てました。

鍼施術では、骨盤周囲や肩上部など身体の反応がみられた部位に関連するツボを使用しました。

初回施術後には、本人から左耳の詰まり感が少し緩和したとの変化が確認できました。

そのため、その後も身体の状態を確認しながら、同様の方向性で施術を継続していきました。

【第1回目】

初回から耳の詰まり感に変化がみられました。

完全に症状がなくなったわけではありませんでしたが、施術前と比較すると耳の閉塞感が軽くなり、身体にも変化を感じられる状態でした。

【中盤】

その後も週1~2回程度の頻度で施術を続けました。

もともと耳の詰まり感には日によって強弱があり、天候や時間帯などによっても感じ方が変化する症状でした。

そのため、一時的な変化だけで判断するのではなく、「耳が詰まっている時間がどの程度あるのか」「朝方の症状はどうか」「日常生活でどの程度気になるのか」なども確認しながら経過をみていきました。

施術を重ねるにつれて、耳の詰まり感は徐々に軽減していきました。

来院当初は耳の症状に対する不安から精神的に落ち込むこともありましたが、症状が落ち着いていくにつれて、その負担も軽減していきました。

【14回施術後】

計14回の施術を行った段階では、左耳の詰まり感は大幅に軽減し、症状も安定しました。

施術期間中に大きな再燃はみられず、当初のように耳の違和感に悩まされる状態から改善したため、耳症状に対する集中的な施術を終了しました。

特に効果のあったツボ(施術部位)※L=左側,R=右側

臀蓋 L

骨盤周囲から姿勢調整を行い上半身の緊張を調整する目的で使用しました。

聚労 L

骨盤周囲から姿勢調整を行い上半身の緊張を調整する目的で使用しました。

巨骨 LR

鎖骨の関節の詰まりを調整することで胸鎖乳突筋などの緊張を調整する目的で使用しました。

 

※実際の施術では、その日の身体の状態を確認したうえで使用するツボを選択しています。

※以上のツボ以外にも合計10か所以下を施術

当院(鍼灸TAKA)の考察

今回の症例で特徴的だったのは、コロナ罹患後に左耳の症状が現れ、低音障害型感音性難聴の疑いと診断されたものの、来院時にはすでに聴力自体は回復していたという点です。

つまり、今回の施術で主に対象となったのは「低下した聴力」ではなく、聴力回復後も残っていた耳の詰まり感でした。

耳鼻科の検査で聴力が回復していても、

「耳に膜が張っている感じがする」

「耳が抜けきらない」

「詰まっている感じだけが残っている」

といった違和感に悩まれている方はいます。

 

今回の症例では、さらに悪天候や密閉空間で症状が強くなる、朝方に症状を感じやすいという変動性がありました

また、身体を確認すると首から肩にかけて非常に強い緊張がみられました。

鍼灸TAKAでは、このような症例の場合、耳周囲だけに原因を求めるのではなく、首・肩を含めた身体全体の緊張状態を確認することを重視しています。

今回も首肩周囲の状態を確認しながら施術を継続したところ、初回から耳閉感に変化がみられ、その後徐々に症状が安定していきました。

 

ただし、コロナ後に耳の詰まりを感じるからといって、すべてが同じ原因とは限りません。 また、突然の耳閉感や聞こえにくさは突発性難聴や低音障害型感音性難聴などでも起こるため、まず耳鼻科を受診して聴力検査など必要な検査を受けることが重要です。

そのうえで、「聴力は回復したと言われたのに耳の詰まりだけが残っている」「検査後も耳の違和感が続いている」という場合には、耳だけではなく首肩をはじめとした身体の状態にも目を向ける余地があると、今回の症例から考えています。

まとめ

本症例は、新型コロナウイルス罹患後に左耳の詰まり感が出現し、低音障害型感音性難聴の疑いと診断された20代男性の症例です。

医療機関での経過の中で聴力自体は回復していましたが、左耳の耳閉感は残存しており、特に朝方・密閉空間・悪天候時に症状を感じやすい状態でした。

初診時には首から肩にかけて強い緊張が確認されたため、その身体所見を踏まえて施術を行いました。

初回施術後から耳の詰まり感に変化がみられ、その後も継続して施術を行った結果、計14回で耳閉感は大幅に軽減し、症状も安定しました。

耳の症状が長く続くと、「聴力は戻っているのになぜ詰まり感だけが残るのだろう」と不安になる方も少なくありません。

病院で聴力は回復したと言われたものの、耳の詰まり感や違和感が残っている方は、LINEからお気軽にご相談ください。

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