朝に目が開けづらく、おでこに力を入れて目を開けていた眼瞼下垂の症状が6回の鍼施術で改善

60代女性
担当鍼灸師:渡辺 賢司、東尾 静香

目の開けづらさを主訴に来院されました。

特に症状が強く現れるのは朝方で、起床した直後はまぶたが重く、自分の力だけでは目を十分に開けづらい状態でした。そのため、おでこに力を入れて眉を持ち上げるようにして目を開けることが習慣になっていました。

日中になると朝よりは目を開けやすくなるものの、まぶたには違和感が残り、ときどき目の周囲が「ピクピクする」ような感覚もありました。

普段はハードコンタクトレンズを使用しており、専用の器具を使って着脱していました。目の開けづらさが続いたため医療機関を受診しましたが、診察では現時点では手術の適応ではないと説明を受けていました。

しかし、毎朝おでこに力を入れなければ目を開けづらい状態が続いており、日常的な煩わしさを感じていたため、鍼治療による改善を希望して当院へ来院されました。

また、目の症状とは別にメニエール病の疑いもあり、季節の変わり目には周囲がぐるぐる回るような回転性めまいや、身体がふわふわするような感覚が現れることもありました。

通院頻度・回数

週1~2回 計6回

施術と経過

●初診時の所見

初診時に身体全体を触診すると、特に目立っていたのがふくらはぎの強い緊張でした。

さらに首肩周囲にも筋肉の硬さがあり、特に耳の後ろに位置する翳風付近には明確な緊張が確認されました。

目が開けづらいという症状があると、どうしてもまぶたや目の周囲だけに原因があるように考えてしまいがちです。

しかし今回の患者様は、朝になるとおでこに力を入れて目を開けていることに加え、首肩や耳周囲、さらに下腿にも強い緊張がありました。また、季節の変わり目にはめまいも起こりやすいという特徴がありました。

当院では、このような状態では目だけを局所的に施術するのではなく、首肩から下半身まで含めた身体全体の緊張状態を整えることが重要だと考えました。

特に、ふくらはぎは下半身の血液を心臓へ戻す働きを助ける筋ポンプとして重要な場所です。

そこで今回は、ふくらはぎの強い緊張と、首肩・耳周囲の緊張を身体の状態を判断する一つの指標として、施術方針を組み立てました。

● 施術後の経過

【第1回】

初回施術後から、患者様自身が「目が開けやすくなった」という変化を感じました。

おでこへ力を入れながら目を開けていた状態にも変化がみられたため、身体の状態と施術方針が合っていると判断し、同様の施術を継続しました。

【2~3回目】

ふくらはぎや骨盤周囲の状態を確認しながら施術を続けました。

施術を重ねるにつれて、朝に感じていた目の重さや開けづらさが徐々に軽減し、以前ほど強くおでこへ力を入れなくても目を開けられるようになってきました。

日中のまぶたの違和感についても少しずつ気にならなくなっていきました。

【4~6回目】

目の開けづらさはさらに安定し、日常生活ではほとんど支障を感じない程度まで改善しました。

一方、施術間隔を空けると、ときどきまぶたのピクピクする感覚や違和感が現れることがありました。

そのため、症状が改善したからすぐに施術を終了するのではなく、身体の状態を確認しながら徐々に通院間隔を延ばしました。

最終的には、間隔を空けても目の開けづらさが大きく戻ることなく過ごせるようになったため、定期的な施術から経過観察へ移行しました。

使用したツボ(施術部位)

承山

ふくらはぎにあるツボ、後頭部の緊張緩和する目的で使用しました。

合谷

手のツボ、首周囲(特に胸鎖乳突筋)の緊張を調整する目的で使用しました。

膀胱兪

骨盤にあるツボ、骨盤周囲のバランスを調整し、翳風付近(顎関節)を整える目的で使用しました。

 

※以上のツボ以外にも合計10か所以下を施術

まとめ:当院(鍼灸TAKA)の症状分析

今回の症例は、朝になると目が開けづらく、おでこに力を入れて目を開けていた60代女性の症例です。

医療機関では手術適応ではないと説明を受けていましたが、本人にとっては毎朝目を開けづらい状態が続いており、まぶたの違和感やピクつきもみられていました。

 

初診時に身体を確認すると、目の周囲だけではなく、ふくらはぎ、首肩(特に後頭部)、耳の後ろの翳風付近に強い緊張が確認されました。

そこで当院では、目の開けづらさを目だけの問題として捉えるのではなく、身体全体の緊張状態に着目しました。

 

特に今回の施術では、ふくらはぎと骨盤周囲のツボを使って身体のバランスを整えたところ、初回から目の開けやすさに変化がみられ、その後も施術を重ねるごとに症状は軽減していきました。

6回の施術後には、日常生活では目の開けづらさをほとんど気にせず過ごせる状態になりました。

一方で、施術間隔を空けると一時的にまぶたのピクつきや違和感が現れることもありました。このことから、症状そのものの変化だけではなく、施術間隔を空けても良い状態を維持できるかを確認することも重要だと考えています。

 

目の開けづらさにはさまざまな原因があるため、まず眼科などの医療機関で適切な検査を受けることが大切です。

そのうえで、今回のように手術適応ではないと説明を受けても症状が残っている場合には、目だけではなく首肩や下半身など身体全体の緊張状態に目を向けることが、改善の糸口の一つになる可能性があります。

鍼灸TAKAでは症状が出ている場所だけを見るのではなく、触診によって身体のどこに緊張があるのかを確認し、一人ひとりの身体の状態に合わせて施術を組み立てています。

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