
名古屋市緑区の鍼灸院【自律神経専門】
鍼灸TAKA
〒458-0924 愛知県名古屋市緑区有松3408(名鉄本線有松駅から徒歩8分)
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強い倦怠感と立ち眩み、37℃台の微熱を主訴に来院されました。
来院する4日前から急に身体のだるさが強くなり、37℃台の微熱が続くようになりました。特に困っていたのが、寝ている状態や椅子に座った状態から立ち上がった時に起こる立ち眩みです。
また、お風呂から上がった直後にも立ち眩みが起こりやすく、身体を起こして活動すること自体がつらい状態でした。
倦怠感も強く、一日のほとんどを横になって過ごしていました。当然、学校へ行くことも難しく、欠席せざるを得ない状態になっていました。
今回のような体調不良は初めてではありませんでした。
約2年前から、年に3〜4回ほど強い倦怠感や微熱が現れ、そのたびに1週間ほど学校を休むことがありました。ただし、これまでの体調不良では、今回のような立ち上がった時の立ち眩みはありませんでした。
医療機関では風邪の疑いとして対応されていましたが、休養していても症状はなかなか改善しませんでした。
さらに本人にとって大きな問題だったのが部活動です。
近いうちに重要な試合を控えていましたが、身体を起こすことさえつらいため練習に参加できず、「試合までに戻れるのか」という不安も強くなっていました。
そこで、繰り返す体調不良と今回新たに現れた立ち眩みについて身体の状態を確認し、鍼施術を希望して来院されました。
週1~2回 計5回
●初診時の所見
今回の症例で当院が特に注目したのは、ふくらはぎの強い緊張でした。
患者さんには、寝ている状態や座っている状態から立ち上がった時、さらにお風呂上がりに立ち眩みが起こるという特徴がありました。
立ち上がると重力によって血液は下半身へ移動します。その際、下半身にたまった血液を心臓へ戻すために重要な役割を果たしているのが、ふくらはぎの筋肉です。
ふくらはぎの筋肉は、収縮と弛緩を繰り返すことで静脈の血液を心臓へ戻す「筋ポンプ」として働くことから、「第二の心臓」と表現されることもあります。
ところが今回の患者さんでは、初診時にこのふくらはぎが強く緊張していました。
当院では、この状態によって下半身の血液循環がスムーズに働きにくくなり、立ち上がった際の循環調節に負担がかかっていた可能性があると考えました。
つまり今回の症例では、
ふくらはぎの強い緊張
↓
下半身の筋ポンプが働きにくい身体環境
↓
立ち上がった際の血液循環・血圧調節への負担
↓
立ち眩み・倦怠感
という身体の状態を一つの重要なポイントとして考えました。
特に、「寝ている時には比較的問題ないものの、立ち上がると症状が出る」「入浴後に立ち眩みが起こりやすい」という症状の出方と、実際に確認できたふくらはぎの緊張が一致していました。
そこで今回は、ふくらはぎを緩め、下半身の血液循環を妨げにくい身体へ整えることを施術の中心にしました。
● 施術後の経過
【第1回】
初回は、強く緊張していたふくらはぎへ直接鍼をするのではなく、臀部と、腕にあるツボを使用しました。
鍼をした後にふくらはぎを確認すると、施術前にみられた緊張が緩和していました。
そこで、ふくらはぎそのものへ強い刺激を加えるのではなく、間接的にふくらはぎを緩め、下半身の血液循環が働きやすい身体環境へ整えるという方針で施術を進めました。
【第2回】
2回目の来院時には、大きな変化がみられました。
本人によると、初回来院時と比較して、立ち眩みや倦怠感は8割程度改善していました。
それまでは一日のほとんどを横になって過ごしていましたが、身体を起こして過ごせる時間が増え、立ち上がった時に繰り返していた立ち眩みも大幅に減っていました。
ふくらはぎの状態についても初診時と比較しながら確認し、引き続き会宗や臀部のツボを使って施術を継続しました。
【その後の経過】
症状が安定してきたため、身体の状態を確認しながら徐々に施術間隔を空けていきました。
その後、学校のテスト期間を迎え、疲労が重なったタイミングで一時的に倦怠感と立ち眩みが再び現れました。
しかし、初回来院時のように一日の大部分を横になって過ごすほどの状態ではありませんでした。
再度ふくらはぎの状態を確認し、これまでと同様に臀部と上腕のツボを使って施術を行いました。
その後は症状も落ち着き、最終的に計5回の施術で立ち眩みや強い倦怠感は気にならない状態となり、施術を終了しました。
会宗
前腕にあるツボです。
今回の症例では、当院がふくらはぎの緊張を間接的に緩めるための特効穴として使用しました。
ふくらはぎへ直接多くの鍼をするのではなく、会宗へ施術した後にふくらはぎの状態を触診し、実際に緊張が緩むことを確認しながら使用しました。
今回の患者さんでは、ふくらはぎの筋ポンプが働きやすい身体環境をつくることが重要だと考えたため、施術の中心となったツボの一つです。
二ノ臀
臀部にあるツボです。
臀部から下肢全体の緊張を調整し、普段の姿勢で緊張していたお尻の筋肉を緩めることで下肢全体の血流改善を目的で使用しました。
※以上のツボ以外にも合計10か所以下を施術
今回の症例で最も重要だったのは、「なぜ立ち上がった時に立ち眩みが起こるのか」を、ふくらはぎと血液循環の関係から考えたことです。
起立性調節障害では、自律神経による血圧調節がうまくいかず、横になった状態から立ち上がった際に血液が下半身へたまりやすくなることで、立ち眩み、めまい、倦怠感などが現れることがあります。
ここで重要になるのが、下半身にあるふくらはぎです。
ふくらはぎの筋肉は、歩いたり足首を動かしたりする際に収縮することで静脈を圧迫し、下半身にある血液を心臓へ戻す働きを助けています。
この「筋ポンプ作用」があることから、ふくらはぎは「第二の心臓」と表現されることがあります。
今回の患者さんでは、そのふくらはぎに初診時から明らかな緊張が確認されました。
そのため当院では、起立性調節障害という診断名だけを見るのではなく、
ふくらはぎが強く緊張している
↓
下半身の循環を支える筋ポンプが十分に働きにくい身体環境になる
↓
立ち上がった際の循環調節にさらに負担がかかる
↓
立ち眩みや倦怠感が現れやすくなる
という可能性を考えました。
もちろん、ふくらはぎの緊張だけで起立性調節障害のすべてを説明できるわけではありません。
しかし今回の場合、「立ち上がると悪化する」「入浴後に悪化する」という循環の変化と関係する症状の出方と、実際に確認できたふくらはぎの強い緊張が重なっていました。
そのため、ふくらはぎの状態を今回の施術における重要な指標としました。
そして今回の施術で特徴的なのが、ふくらはぎそのものへ直接鍼をするのではなく、腕にある会宗を使って間接的にふくらはぎを緩めたことです。
当院では会宗をふくらはぎの緊張に対する特効穴として使用しており、施術前後で実際にふくらはぎを触診し、変化を確認しながら施術を進めています。
初回施術後、次回来院時には症状が約8割改善していたことからも、この患者さんでは、ふくらはぎの緊張を整えるという施術方針と身体の状態が合っていたと考えています。
その後、テスト期間の疲労によって一時的に倦怠感と立ち眩みが現れたことも、今回の症例を考えるうえで重要でした。
症状が一度改善したからといって、身体の状態が完全に安定したとは限りません。学業や部活動などによって疲労が蓄積すると、再び自律神経や身体の循環調節に負担がかかり、症状が現れやすくなることがあります。そのため、症状が落ち着いてからは身体の状態を確認しながら施術間隔を徐々に空け、再び症状が強くならないか経過をみていきました。
今回の症例では、「立ち上がると立ち眩みがする」「お風呂上がりに悪化する」という症状の特徴と、初診時に確認されたふくらはぎの強い緊張を結びつけて考えたことが、施術方針を決める大きなポイントとなりました。
起立性調節障害といっても、朝起きられない、頭痛がする、腹痛がある、立ち眩みが強いなど、症状の現れ方は一人ひとり異なります。だからこそ鍼灸TAKAでは、診断名だけから施術を決めるのではなく、「いつ・どのような場面で症状が起こるのか」「身体のどこに特徴的な緊張があるのか」まで確認し、その人の症状につながっている身体の問題を探すことを大切にしています。
この患者さんの場合は、ふくらはぎの緊張を整え、下半身の血液循環を妨げにくい身体環境をつくることが、立ち眩みや倦怠感の改善につながったと考えています。同じ起立性調節障害でも原因となる身体の状態は同じとは限らないため、その人に隠れている身体の特徴を見つけ、それに合わせて施術することが当院の考える根本改善への重要なポイントです。
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