
名古屋市緑区の鍼灸院【自律神経専門】
鍼灸TAKA
〒458-0924 愛知県名古屋市緑区有松3408(名鉄本線有松駅から徒歩8分)
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朝に強く現れる腹痛・吐き気・倦怠感と、朝起きることができない状態に悩み来院されました。
朝は目が覚めても身体が重くだるく、上腹部を中心とした腹痛や吐き気も強いため、予定していた時間に起きることができませんでした。
さらに、朝は胃腸の調子も悪く、朝食を食べることさえ難しい状態でした。そのため朝から学校へ行くことができず、体調が落ち着いてから途中登校する日々が続いていました。
特徴的だったのは、一日中同じように体調が悪いわけではなく、午後になると症状が軽くなることでした。
午後になると身体が動くようになり、学校へ行くこともできました。そのため、「学校へ行きたくない」のではなく、本人としては行きたい気持ちがあっても、朝になると身体がついてこないという状態でした。
医療機関も受診しましたが、症状につながる明確な原因は分からず、なかなか改善傾向がみられませんでした。
そこで、朝に集中して現れる腹痛・吐き気・倦怠感と起床困難について、身体全体の状態から原因を探るため当院へ来院されました。
週1~2回 計10回
●初診時の所見
今回の患者さんを診て、まず特徴的だったのが身体全体に非常に強く力が入っていたことでした。
特に首や肩の緊張が強く、本人自身にも「普段から緊張していて、なかなか肩の力を抜くことができない」という自覚がありました。
つまり、一時的に肩がこっているというよりも、常に身体が緊張している状態が本人にとって当たり前になっていたと考えられました。
さらに腹部を確認すると、みぞおちと下腹部にも強い張り・硬さが確認されました。
当院では、起立性調節障害でみられる朝の不調を自律神経だけの問題として捉えるのではなく、首肩こりと腹部の張り・緊張も重要な身体所見として確認しています。
そこで、単に「朝起きられない」という症状だけに着目するのではなく、首肩と腹部を中心とした身体の緊張を整え、休息時に自然と力を抜ける身体環境をつくることを施術の中心としました。
● 施術後の経過
【第1回】
まずは、強く緊張していた首肩を緩めることから始めました。
首や肩へ直接多くの鍼をするのではなく、臀部にあるツボを使用しました。
施術後に肩の状態を確認すると緊張が緩み、本人からも、
「肩が軽い」「今まで肩に力が入っていたのが楽になった」
という反応がありました。
さらに、みぞおちと下腹部に確認された張り・緊張に対して、手足にある東洋医学のツボを使用しました。
初回は、首肩と腹部の両方を整え、まず本人が自然に力を抜きやすい身体の状態をつくることを目標としました。
【第2回】
2回目の来院時には、早くも朝の状態に変化がみられました。
これまでは毎朝起きることが難しかったのですが、予定していた時間に起きられる日が出てきました。
まだ毎日安定して起床できる状態ではありませんでしたが、身体の変化が確認できたため、初回と同じ方向性で施術を継続しました。
【第3回】
朝の腹痛はまだ残っていましたが、痛みの程度は以前より軽くなってきました。
引き続き首肩と腹部の状態を確認し、臀部や手足のツボを使って身体全体の緊張を整えていきました。
【第4回】
この頃になると、朝、予定していた時間に目が覚める日が増えてきました。
さらに大きな変化として、それまで難しかった朝食も食べられるようになりました。
腹痛についても改善傾向がみられました。
一方で吐き気はまだ残っていたため、「朝起きられるようになったから終了」とはせず、腹部の状態を確認しながら施術を続けました。
【第5~7回】
施術を重ねるにつれて、腹痛だけでなく吐き気も徐々に軽減していきました。
同時に、朝予定通りに起きられる日も増えていきました。
来院当初は、午後になって体調が良くなってから学校へ向かう生活でしたが、徐々に朝から活動できる身体の状態へ変化していきました。
【第8回以降】
8回目頃には、朝予定通りに起きられる状態が安定し、元気に一日を過ごせる日も増えてきました。
その後も状態を安定させるために施術を継続し、計10回の施術を通して、来院当初に強かった朝の起床困難・腹痛・吐き気・倦怠感は大幅に軽減しました。
聚労
臀部にあるツボです。骨盤のバランスを整えて首肩を中心とした身体の緊張を緩め、肩に入り続けていた余分な力を抜きやすくする目的で使用しました。
合谷
手にあるツボです。みぞおちを中心とした腹部の緊張を確認しながら使用しました。
三陰交
下腿にあるツボです。下腹部の張り・緊張や身体全体の状態を確認しながら使用しました。
百会
頭頂部にあるツボです。身体全体の緊張状態を確認しながら、全身のバランスを整える目的で使用しました。
※以上のツボ以外にも合計10か所以下を施術
今回の症例で重要だったのは、「なぜ朝になると腹痛・吐き気・だるさが強くなり、起きられなくなるのか」を、首肩と腹部の緊張から考えたことです。
起立性調節障害では、自律神経による血圧調節がうまく働きにくくなることで、朝起きられない、倦怠感、頭痛、めまい、立ち眩み、腹痛など、さまざまな症状が現れるとされています。
当院では、それに加えて、なぜ自律神経が乱れやすい身体の状態になっているのかを確認することを大切にしています。
当院の起立性調節障害の症状ページでは、長時間の同じ姿勢、スマホ・ゲーム、ストレス、食生活、睡眠不足などが重なることで、首肩こりや腹部の張り・緊張が生じ、それによって血液循環・胃腸の働き・呼吸などに負担がかかり、自律神経が乱れやすくなるという考え方を紹介しています。
今回の患者さんでは、まさに首肩と腹部の両方に強い緊張が確認されました。
特に注目したのが腹部です。
みぞおちや下腹部が強く緊張すると、お腹を自然に膨らませる腹式呼吸がしにくくなり、呼吸が浅くなりやすくなります。また、腹部の緊張が強い状態では、胃腸も働きにくい身体環境になります。
今回の患者さんに、
という胃腸症状が強く出ていたことからも、腹部の状態は見逃せないポイントでした。
さらに、首肩にも強い緊張があり、本人自身が「肩の力を抜けない」と感じていました。
そこで当院では、
普段から身体に力が入っている
↓
首肩と腹部の緊張が強くなる
↓
血液循環・胃腸の働き・呼吸に負担がかかる
↓
自律神経が切り替わりにくい身体環境になる
↓
朝に腹痛・吐き気・倦怠感が強く現れる
↓
起きられず、朝食も食べられない
という状態になっていた可能性を考えました。
そのため今回の施術では、症状が出ているお腹だけに鍼をするのではなく、臀部・手足・頭部など身体から離れたツボを使いながら、首肩と腹部の緊張を整えることを重視しました。
今回の症例で興味深かったのは、症状が一度にすべて変化したわけではないことです。
まず肩の力が抜ける感覚が現れ、その後、
予定通り起きられる日が出てくる
↓
腹痛が軽くなる
↓
朝食が食べられるようになる
↓
吐き気も軽減する
↓
朝から元気に活動できる日が増える
というように、段階的な変化をたどりました。
この経過からも、この患者さんでは「朝起きられない」という症状だけを追いかけるのではなく、首肩と腹部の緊張を含めた身体全体の状態を整えていくことが重要だったと考えています。
同じ起立性調節障害でも、症状の現れ方は一人ひとり違います。
立ち眩みが中心の人もいれば、頭痛が強い人、倦怠感が中心の人もいます。そして今回の患者さんのように、「朝の腹痛・吐き気・食欲不振」が強く、午後になると楽になるタイプもあります。
だからこそ鍼灸TAKAでは、診断名だけから施術方法を決めるのではなく、「いつ症状が強くなるのか」「どの症状が学校生活を妨げているのか」「身体のどこに緊張があるのか」まで確認し、その患者さんに隠れている身体の問題を探すことを大切にしています。
今回の患者さんでは、首肩と腹部の強い緊張を整え、血液循環・胃腸の働き・呼吸に負担をかけにくい身体環境をつくっていったことで、朝の腹痛や吐き気だけでなく、「朝起きる」「朝食を食べる」「朝から学校生活を送る」という本来の日常を少しずつ取り戻していくことにつながった症例だと考えています。
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