妊娠8ヶ月・発症6日の突発性難聴 2回で耳閉感が消失

30代・女性・妊娠8ヶ月
担当鍼灸師:渡辺 賢司/東尾 静香

30代女性の患者様が、右耳の耳閉感と低音域の聴力低下を主訴に来院されました。

症状が現れたのは、当院へ来院する6日前のことです。

突然、右耳に「耳が塞がっているような感覚」が現れました。耳閉感には多少の変動があったものの完全にはなくならず、日常生活でも耳の違和感が気になり、煩わしさを感じていました。

心配になり医療機関を受診して聴力検査を受けたところ、右耳の低音域に聴力低下が認められ、医師から突発性難聴の疑いと診断されました。

そして今回の患者様には、施術を行ううえで重要な背景がありました。

妊娠8ヶ月だったことです。

妊娠後期ということもあり、耳の症状を改善したい一方で、身体に大きな負担をかけることへの不安もありました。

そこで当院では、耳の症状だけを見るのではなく、妊娠中であることを十分に考慮しながら身体の状態を確認し、刺激量や施術姿勢にも配慮して鍼治療を行うこととしました。

通院頻度・回数

週2回 計2回

施術と経過

●初診時の所見

初診時に身体を確認すると、特に目立ったのが、

  • 首周囲の筋緊張
  • 肩甲骨周囲の強い張り
  • 右耳後部の翳風付近の詰まり

でした。

右耳の症状だからといって、耳だけに問題があると考えるのではなく、当院では耳の周囲から首、肩、肩甲骨まで広く身体の状態を確認しています。

今回の患者様では、特に首から肩甲骨周囲にかけての緊張が強く、その延長として耳後部の翳風付近にも詰まったような状態が確認できました。

耳周囲の筋肉は首や顎、肩周囲ともつながりが深く、これらの部位に強い緊張がある場合には、耳周囲の状態を考えるうえでも重要な所見になります。

そこで今回の施術では、耳周囲だけを刺激するのではなく、肩甲骨・骨盤・手・足の甲にあるツボを使い、身体全体の緊張を整えていく方針としました。

また、患者様は妊娠8ヶ月です。

そのため通常以上に身体への負担に配慮し、必要以上に多くの鍼を使用したり、強い刺激を加えたりしないことを重視しました。また、施術中の姿勢についても、お腹を圧迫せず負担がかからないよう配慮し、妊娠後期でも無理なく施術を受けられる体勢で行いました。

● 施術後の経過

【第1回目】

初回は、肩甲骨・骨盤・手・足の甲にあるツボを中心に鍼施術を行いました。

右耳そのものに集中的な施術を行うのではなく、初診時に確認された首や肩甲骨周囲の緊張、翳風付近の詰まりを確認しながら、身体から離れた部位のツボを使って調整しました。

特に妊娠後期という身体の状態を考慮し、無理な姿勢や過度な刺激を避けながら施術を行いました。

初回終了時には身体の緊張状態を再度確認し、その後の耳閉感や聞こえ方の変化をみてもらうこととしました。

【第2回目】

2回目の来院時には、明確な変化がみられました。

医療機関で聴力を確認したところ、低下していた右耳の聴力が正常範囲まで回復していました。

さらに、来院時に最も気になっていた右耳の耳閉感も消失していました。

聞こえ方だけではなく、日常生活で感じていた耳の煩わしさもなくなっていたため、良好な状態と判断しました。

妊娠中ということもあり、必要以上に施術を継続することはせず、症状の改善が確認された時点で施術を終了しました。

結果として、発症6日後から鍼治療を開始し、計2回の施術で終了となりました。

特に効果のあったツボ(施術部位)

肩参

肩甲骨周囲から首にかけての緊張を整える目的で使用しました。

臀蓋

骨盤周囲から身体全体のバランスを整える目的で使用しました。

合谷

手から首周囲(特に胸鎖乳突筋)の緊張を調整する目的で使用しました。

開魄

首(胸鎖乳突筋)から耳周囲にかけての緊張を整える目的で使用しました。

 

※以上のツボ以外にも合計10か所以下を施術

当院(鍼灸TAKA)の考察

今回の症例には、これまでの突発性難聴の症例とは異なる大きな特徴があります。

それが、妊娠8ヶ月という時期に突発性難聴の疑いを発症したことです。

妊娠中に突然耳が聞こえにくくなったり、耳が詰まったような感覚が続いたりすると、耳の症状そのものだけでなく、

「妊娠中だけれど治療を受けても大丈夫なのか」

「このまま聞こえが戻らなかったらどうしよう」

と不安を感じる方も少なくありません。

今回の患者様も妊娠後期であったため、当院では症状へのアプローチだけでなく、できる限り身体への負担を抑えて施術することを重視しました。

初診時に身体を確認すると、耳だけではなく、首・肩甲骨周囲・翳風付近に緊張がみられました。

そこで耳に対して直接強い刺激を行うのではなく、肩甲骨・骨盤・手・足の甲などのツボを使い、身体全体から首や耳周囲の緊張を整える施術を行いました。

その結果、2回目の来院時には耳閉感が消失し、医療機関で確認した聴力についても正常範囲まで回復していました。

今回、わずか2回という少ない施術回数で良好な経過が得られた一つのポイントとして、発症から6日という比較的早い段階で鍼治療を開始できたことが挙げられます。

当院では、突発性難聴は発症から施術開始までの期間を非常に重要視しています。

これまでの症例でも、発症から数日程度で来院されたケースでは比較的早く改善するケースがみられる一方、発症から長期間経過している場合には施術回数が増えたり、改善が難しくなったりすることがあります。

もちろん、改善までの経過は年齢、聴力低下の程度、症状の種類、既往歴などによって異なるため、発症からの日数だけで予後を判断することはできません。

しかし今回の症例は、耳閉感が出てから長期間様子を見ることなく医療機関を受診し、さらに発症6日という早い段階で鍼治療を開始したことが特徴です。

 

また、今回低下していたのは主に低音域の聴力でした。

突発性難聴といっても、患者様によって聞こえにくくなる音域や、耳鳴り・耳閉感などの付随症状は異なります。

今回のように「耳が塞がっている感じ」が主症状の場合でも、実際に聴力検査を行うと特定の音域で聴力低下が確認される場合があります。

そのため、「耳が少し詰まっているだけだから」と自己判断して長期間様子を見るのではなく、突然片耳に耳閉感が現れた場合には、まず耳鼻科で聴力検査を受けることが重要です。

妊娠中に突然、耳が聞こえにくくなった方へ

妊娠中は身体の状態が大きく変化する時期です。

そのような時期に突然、

「片耳が詰まった感じがする」

「以前より音が聞こえにくい」

「耳鳴りがする」

といった症状が現れると、不安になると思います。

しかし、妊娠中だからといって自己判断で長期間様子を見ることはおすすめできません。

特に突然の聴力低下を伴う場合には、まず耳鼻科を受診して聴力検査を受け、必要な診断・治療について医師に相談することが大切です。

そのうえで鍼治療を希望される場合、当院では妊娠中であることを考慮しながら、身体の状態に合わせて鍼の本数や刺激量を調整しています。また、施術中の姿勢についても、お腹を圧迫せず負担がかからない体勢をとるなど、妊娠中でも無理なく施術を受けられるよう配慮しています。

 

今回の症例では、妊娠8ヶ月という時期でありながら、発症から6日という比較的早い段階で施術を開始でき、2回目には耳閉感が消失し、聴力検査でも正常範囲への回復が確認されました。

すべての方が同じ経過をたどるわけではありませんが、今回の症例は、妊娠中の突発性難聴の疑いに対して、身体への負担に配慮しながら鍼治療を行い、良好な経過をたどった一例です。

突発性難聴が疑われる症状では、妊娠中かどうかにかかわらず、できるだけ早く耳鼻科を受診し、必要な治療を開始することが重要です。そのうえで鍼治療を選択肢の一つとして検討する場合にも、発症から長期間経過する前に相談することをおすすめしています。

ご予約・お問合せをする

ご予約は電話又はLINE

その悩みをなんとかしたい方は
今すぐお電話ください!!

LINEでのご予約・お問合せ
(24時間受付)

下のアイコンをクリックしてください。

電話でのご予約・お問合せをする
(営業時間内のみ)
 

ご予約・お問合せの方は
こちらをクリックしてください。

営業時間:9:00~20:00(土曜・祝日は18:00)
定休日:日曜

LINEでは24時間受付中です。

お問合せ・ご予約

お電話でのお問合せ・ご予約

052-621-1955

フォームでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

受付時間

営業日
 
午前
午後
営業時間

9:00~20:00(土曜・祝日は18:00まで)
LINEでの予約、フォームでのお問合せは24時間受け付けております。

定休日

日曜