突発性難聴の疑いによる右耳の詰まり感と聴力低下

40代・女性・介護職
担当鍼灸師:渡辺 賢司

約2週間前から突然、右耳に詰まったような違和感と共に聴力が低下。

常にその症状が続いており、特に日常生活での会話が聞き取りづらくなることで支障を感じていた。

「右耳に膜が張っているような詰まり感がずっとある」「人の声が片方からしか入ってこない感じがする」といった具体的な症状を訴えられた。

加えて、数ヶ月前から「口を開けると右の顎がゴリッと鳴る」という顎関節の違和感もあったとのこと。

耳鼻科を受診し「突発性難聴の疑い」と診断されたが、薬物療法に対する反応が乏しく、他の選択肢を探す中で当院の鍼灸治療を知り、来院された。

通院頻度・回数

週2回 計3回

施術と経過

●初診時の所見

初診時の触診と問診により、以下のような状態が確認された。

• 首から肩にかけての著しい筋緊張

• 特に右側の顎関節・肩甲間部〜後頸部にかけての張り

• ふくらはぎの緊張が強く、足の冷えも見られた

• 骨盤の左右差も目立ち、右側の坐骨がやや下がっている

以上の情報から骨盤を中心とした下半身の骨格的なバランスが歪んでおり、結果として顎や首肩といった上半身に筋緊張が及んでいると判断した。

● 施術後の経過

【第1回目】

施術後、症例者は「なんとなく、少し音が入ってきている感じがする」と表現された。明確に「聞こえた」とまではいかないが、体感としてわずかな変化を感じ取っておられた。

【第2回目】

3日後に再来院。症状の大きな変化はなかったが、「前より耳が軽い感じはある」とのこと。同様の部位に加え、顎の動きと関連する首回りのツボにもアプローチ。特に顎関節と後頸部の連動性を意識して施術を実施。

【第3回目】

施術後、「今朝、目覚めた時に、明らかに右耳からも音が入ってきていた」とご報告。聴力も日常会話の中でほぼ問題なくなっており、ご本人も「かなり戻っていると思う」と実感されていた。再度、耳鼻科にて検査したところ、「正常範囲内に回復」との診断を受けられた。

使用したツボ(施術部位)

承山:ヒラメ筋肉⇒後頭部の筋緊張緩和

膀胱兪:仙腸関節(骨盤)⇒顎関節の調節

合谷:鎖骨~胸鎖乳突筋の筋緊張緩和

開魄:鎖骨~胸鎖乳突筋の筋緊張緩和

まとめ:症状の分析

この症例は、突発的な右耳の詰まり感と聴力低下に対し、3回の鍼治療とかなり早期に改善した一例である。その要因としては発症後早期(2週間以内)に来院されたことが大きい。

耳鼻科で『突発性難聴』と診断されてなかなか改善されないまま時間が経過していくと1ヶ月を超えると治療が大変困難となる。

西洋医学では投薬中心となる突発性難聴だが、改善が見られない場合は、鍼治療という選択肢も有効である。

東洋医学(鍼治療)では原因は耳そのものではなく、耳の近辺の顎・首・肩・背中の筋肉の緊張が耳への血流悪化に関係していると考えて、治療を行うことで西洋医学(耳鼻科)では改善できなかった場合でも可能性がある。

特に口の開閉時に顎に違和感があるケースでは、顎関節と耳の距離の近さからも、局所の緊張が耳の違和感につながっていることがある。今回の症例でも、顎や首周囲の緊張を鍼で和らげることで耳への圧迫感が軽減した。

そして、最も大事なのは早期に来院することである。どれだけ鍼治療に西洋医学にはない改善の可能性があっとしても発症から時間が経つと改善が困難となる。

今回症例のように発症後2週間以内の来院が改善の可能性を高め、治療回数も少なくなる傾向がある。

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