立ちっぱなしで吐き気・げっぷが悪化する逆流性食道炎の症例

50代女性
担当鍼灸師:渡辺 賢司

主な悩みは、8年ほど前から続いている吐き気とげっぷでした。

医療機関では逆流性食道炎の疑いとされ、服薬を続けながら、油物を控えるなど食生活にも気をつけていました。しかし症状は完全には落ち着かず、長期間にわたって胃の不快感を抱えながら生活していました。

今回の症例で特徴的だったのは、立った状態が長く続くと吐き気やげっぷが強くなり、座ると少し楽になるという点です。

また、食後にもげっぷが出やすく、「また気持ち悪くなるのではないか」と胃の状態を気にすることもありました。強い症状が出れば日常生活にも影響するため、長年続く症状を少しでも改善したいと考えていました。

さらに10年ほど前から、パニック障害の疑いで服薬を継続していました。電車や飛行機を待っているときなどに呼吸が浅くなり、手足に痺れを感じることがあり、乗り物の利用にも制限がありました。

身体的な症状としては、右肩から背中にかけてのつっぱり感もありました。特に食器洗いなどで前かがみの姿勢を続けると、右肩や背中の緊張が気になる状態でした。

加えて、5~6年ほど前から便秘の疑いで服薬しており、胃だけではなく腸の働きについても長期的な悩みを抱えていました。

過去には1~2回ほど回転性めまいを経験したこともあり、消化器症状だけではなく、呼吸や自律神経に関連するさまざまな不調が重なっている状態で来院されました。

通院頻度・回数

週1~2回 計6回

施術と経過

●初診時の所見

初診時に特に重視したのが、腹部の状態と呼吸、背中から肩にかけての緊張でした。

腹部を確認すると、みぞおち周辺と臍の側部にも張りが認められました。

当院では逆流性食道炎を「胃酸が多いから起こる症状」とだけ考えるのではありません。

当院の逆流性食道炎の症状別ページでも説明しているように、腹部の張りや緊張が強くなることで胃腸が働きにくくなり、さらに横隔膜の動きが制限されて呼吸が浅くなることで、自律神経にも影響する可能性があると考えています。

今回の症例は、この考え方を当てはめやすい身体所見がみられました。

まず、みぞおち周辺の張りです。

みぞおち周辺が緊張している状態では、腹部や横隔膜が十分に動きにくくなります。その結果、呼吸が浅くなったり、腹部に力が入りやすくなったりすることで、胃腸が働きやすい身体環境を保ちにくくなると当院では考えています。

実際、この女性には以前から「呼吸が浅くなる」という自覚がありました。

さらに、右肩から背中にもつっぱり感があり、前傾姿勢で症状が強くなるという特徴もありました。

そのため今回は、

腹部の張り

→ 横隔膜や呼吸の動きが低下

→ 胃腸が働きにくい状態

→ 自律神経にも負担

→ 吐き気・げっぷが続きやすくなる

という流れを一つのポイントとして考えました。

また、便秘が長期間続いていたことからも、胃だけを局所的にみるのではなく、消化器全体の働きと身体の緊張状態を一緒に整える必要がある症例と判断しました。

● 施術後の経過

【第1回】

初回は、腹部へ直接多くの鍼をするのではなく、足・頭部・腰部にあるツボを使用しました。

曲泉や足三里などの下肢のツボを使いながら、腹部の張りがどのように変化するかを確認しました。

さらに腰部のツボ、頭部の百会なども組み合わせ、腹部だけではなく背中や肩を含めた全身の緊張を整えることを目的としました。

施術後に身体を確認すると、初診時に認められていたみぞおちや腹部の張りが緩み、背中・肩の緊張にも変化がみられました。

そこで、胃そのものだけを狙うのではなく、全身の緊張を整えながら腹部が柔らかくなる状態をつくる方針で施術を継続することにしました。

【第2~3回】

2回目以降も基本的には同じ考え方で施術を行いました。

施術のたびに腹部、背中、肩などを確認し、身体の緊張状態に合わせて足・頭・腰のツボを選択しました。

回数を重ねるにつれて、吐き気やげっぷを感じる頻度にも変化がみられるようになりました。

特に、これまで気になっていた食後のげっぷや胃の不快感が少しずつ軽減していきました。

右肩や背中のつっぱり感についても、以前ほど強く気にならない時間が増えてきました。

【第4~5回】

さらに施術を継続すると、日常生活の中で吐き気やげっぷによって困る場面が大幅に減ってきました。

食後にげっぷが出たり、肩や背中の張りを感じたりすることは時折ありましたが、来院前のように症状を常に意識する状態ではなくなっていきました。

また、この頃から変化がみられたのが排便の状態でした。

長年便秘の疑いで服薬していましたが、施術を継続する中で、決まった時間帯に排便できる日が増えてきました。

胃だけではなく腸の状態にも変化がみられたことから、腹部全体の緊張や身体の状態が整ってきていると考え、同じ方針を継続しました。

【第6回】

6回の施術を終える頃には、吐き気やげっぷによって日常生活で困ることは大幅に減少しました。

食後のげっぷや右肩・背中の張りがたまに気になることは残りましたが、症状の程度・頻度ともに来院時より軽減しました。

また、便通についても一定の時間に排便できる状態がみられるようになりました。

施術期間中に大きな症状の再燃もみられなかったため、集中的な施術はここで終了しました。

使用したツボ(施術部位)

百会

頭頂部にあるツボです。今回は消化器症状だけではなく、呼吸の浅さや長期間続いている身体全体の緊張状態も考慮して使用しました。

曲泉

膝の内側にあるツボです。経絡(東洋医学的な身体のつながり)を利用し、みぞおちの緊張を緩和する目的で使用しました。

足三里

膝下にあるツボです。

経絡を利用し、臍周囲の張り感を整える目的で使用しました。

腰海

腰部にあるツボです。背中や腰を含めた身体全体の緊張を緩めて横隔膜の働きを整える目的で使用しました。

 

※以上のツボ以外にも合計10か所以下を施術

まとめ:当院(鍼灸TAKA)の症状分析

今回の逆流性食道炎の症例で特徴的だったのは、8年間続く吐き気・げっぷだけではなく、みぞおちの張り、呼吸の浅さ、右肩・背中の緊張、便秘などが同時にみられたことです。

特に重要だったのが「立ちっぱなしで吐き気やげっぷが強くなり、座ると少し楽になる」という身体の使い方による変化でした。

胃酸だけが問題であれば、姿勢や身体の緊張によって症状が変化することを十分に説明できない場合があります。

当院では、こうした症状の変化と実際の身体所見を照らし合わせて原因を考えます。

 

今回の場合、腹診ではみぞおちと臍の側部に張りがあり、さらに右肩から背中にも緊張が認められました。

当院の逆流性食道炎に対する考え方では、腹部の張りが強い状態が続くと、胃腸の働きだけではなく横隔膜の動きにも影響し、呼吸が浅くなりやすいと考えています。

今回の女性にはもともと呼吸の浅さがあり、電車や飛行機を待つ場面では手足の痺れまで現れていました。

 

そのため、

腹部・背中の緊張

横隔膜が動きにくくなる

呼吸が浅くなる

自律神経が乱れやすい状態になる

胃腸が働きにくくなる

吐き気・げっぷなどが続きやすくなる

という身体環境が形成されていた可能性を考えました。

 

また、5~6年続く便秘があったことも重要です。

今回の症例では胃だけに問題があるというより、胃から腸を含めた腹部全体が働きにくい状態になっていた可能性があります。

そこで胃や腹部に直接刺激を集中させるのではなく、足・腰・頭部のツボを利用しながら、みぞおち・腹部・背中・肩の緊張が緩む状態を目指しました。

 

施術後にこれらの緊張が変化し、それに伴って吐き気やげっぷが軽減しただけでなく、便通にも変化がみられたことは、今回の症例を考えるうえで特徴的な経過でした。

つまり今回の症例は、「胃酸を抑える」という視点だけではなく、腹部の張り・横隔膜・呼吸・背中の緊張・自律神経・腸の働きまで含めて身体をみることが重要だった逆流性食道炎の症例だったと考えています。

ご予約・お問合せをする

ご予約は電話又はLINE

その悩みをなんとかしたい方は
今すぐお電話ください!!

LINEでのご予約・お問合せ
(24時間受付)

下のアイコンをクリックしてください。

電話でのご予約・お問合せをする
(営業時間内のみ)
 

ご予約・お問合せの方は
こちらをクリックしてください。

営業時間:9:00~20:00(土曜・祝日は18:00)
定休日:日曜

LINEでは24時間受付中です。

お問合せ・ご予約

お電話でのお問合せ・ご予約

052-621-1955

フォームでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

受付時間

営業日
 
午前
午後
営業時間

9:00~20:00(土曜・祝日は18:00まで)
LINEでの予約、フォームでのお問合せは24時間受け付けております。

定休日

日曜