
名古屋市緑区の鍼灸院【自律神経専門】
鍼灸TAKA
〒458-0924 愛知県名古屋市緑区有松3408(名鉄本線有松駅から徒歩8分)
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来院する1年以上前に高熱を出したことをきっかけに、口の中が乾く「ドライマウス」のような状態を自覚するようになりました。
ところが、その後は反対に唾液が多く出るようになり、特に一日の後半になるにつれて唾液の量が増えることが気になるようになりました。
過剰に分泌された唾液が上顎付近に溜まるように感じるため、患者様は無意識のうちに舌や口の動きを使って、何度も唾液を吸い取るようになっていました。
この動作を繰り返しているうちに、舌・歯茎・上顎などに刺激が加わり、腫れや炎症を繰り返すようになりました。
炎症に対して塗り薬を使用すると一時的には楽になるものの、唾液の分泌そのものが落ち着いているわけではありません。そのため、
唾液が増える→何度も吸い取る→口腔内に刺激が加わる→舌や上顎が腫れる→塗り薬で一時的に落ち着く→再び繰り返す
という状態が続いていました。
医療機関でも検査を受けましたが、特に異常は指摘されませんでした。しかし本人にとっては、毎日のように口の中を意識し続けなければならない状態であり、大きなストレスとなっていました。
そこで、口の中だけではなく身体全体の状態から原因を探りたいと考え、鍼治療を希望して当院へ来院されました。
週1~2回 計10回
●初診時の所見
初診では口腔内だけを見るのではなく、症状の経過を確認しながら全身の状態を触診しました。
特徴的だったのが、頚椎7番から胸椎1番付近にかけての強い緊張です。
首と背中の境目にあたるこの部分に明確な張りが認められました。
また、腹部の張っている感じも確認されました。
今回重要だと考えたのは、口腔内に炎症があるからといって、炎症部分だけを問題として捉えないことでした。
この症例では、
という特徴があります。
そのため当院では、舌や上顎そのものだけではなく、唾液の分泌状態が安定しにくくなっている身体全体の状態に着目しました。
特に頚椎7番〜胸椎1番付近に強い緊張があり、この付近は喉と同じ高さにあることから今回の症状と関係があると推測して、この付近の緊張を改善することを治療方針としました。
さらに、腹部の張り感と頚椎7番〜胸椎1番にも繋がるがあることも推測しました。
具体的な施術では、骨盤や下腿のツボから間接的にアプローチする方針としました。
● 施術後の経過
【第1回】
初回施術直後には、唾液の量について大きな変化はみられませんでした。
そのため、一度の施術による即時的な変化だけで判断せず、同じ方向性で経過を確認することにしました。
【第2回以降】
2回目以降も、骨盤や下腿を中心とした施術を継続しました。
施術を重ねていくにつれて、少しずつ変化が現れました。
まず、過剰に出ていた唾液の量が以前より少なく感じられる時間が増えてきました。
唾液そのものが減ってくると、それまで頻繁に行っていた「上顎に溜まった唾液を吸い取る動作」も自然と少なくなっていきました。
この変化は今回の症例において重要でした。
患者様が困っていたのは唾液量だけではなく、唾液を吸い取る動作を繰り返すことで、舌・歯茎・上顎に炎症を起こしてしまうことだったからです。
【施術を継続】
その後も同様の方針で施術を継続しました。
唾液量が落ち着いてくるにつれて、口の中を吸う動作もさらに減少しました。
それに伴い、上顎や舌に繰り返していた炎症や腫れも徐々に落ち着くようになりました。
以前は塗り薬によって炎症が一時的に改善しても、唾液が増えると再び吸い取る動作を繰り返し、炎症が起こるという状態でした。
しかし、施術を重ねていく中でその繰り返しが少なくなり、口腔内の状態も安定していきました。
計10回の施術を行い、当初と比較して唾液の過剰分泌は大幅に軽減しました。
施術期間中には大きな症状の再燃や、新たな症状の出現も認められませんでした。
陰陵泉
内くるぶしの上方にあるツボです。経絡を利用し、下腹部の張り感を整える目的で使用しました。
元瑠
下腿にあるツボです。経絡を利用し、下腹部の張り感を整える目的で使用しました。
また、頸椎7番付近の首の筋緊張改善の目的で使用しました。
臀蓋
臀部にあるツボです。骨盤周囲の緊張や身体の左右差を調整する目的で使用しました。
聚労
臀部周辺にあるツボです。骨盤周囲の筋緊張を整えることで姿勢を調整し、背中や首肩、腹部へかかる負担を軽減することを重視しています。
※以上のツボ以外にも合計10か所以下を施術
今回の症例で特徴的だったのは、高熱をきっかけに口腔内の状態が変化し、その後1年以上にわたって症状が続いていたことです。
最初に現れたのはドライマウスでしたが、その後は反対に唾液が過剰に分泌される状態へ変化しました。
さらに問題を複雑にしていたのが、過剰に出た唾液を吸い取る動作です。
唾液が上顎に溜まる
↓
不快なので吸い取る
↓
舌・歯茎・上顎に刺激が加わる
↓
炎症や腫れが起こる
↓
塗り薬で一時的に落ち着く
↓
再び唾液が増える
という循環ができていたと考えられます。
そのため、炎症だけを一時的に抑えても、唾液の状態や吸い取る動作が変わらなければ、再び同じ問題が起こる可能性があります。
当院では、こうした症状の場合も症状が現れている場所だけを見るのではなく、身体全体を触診し、どこに強い緊張があるのかを確認することを大切にしています。
今回、特に目立っていたのが頚椎7番から胸椎1番付近の緊張でした。
そこで口周囲へ直接施術を集中させるのではなく、骨盤や下腿など離れた場所にあるツボを使いながら、身体全体の緊張状態を整えていきました。
初回直後には唾液量の大きな変化はありませんでした。
しかし、継続して施術することで少しずつ唾液量が減少し、それに伴って唾液を吸い取る回数も減っていきました。
さらに、吸い取る動作が減少したことで、舌や上顎に繰り返していた刺激も少なくなり、炎症も落ち着いていきました。
今回のように、検査では異常が確認されなくても、患者様自身が強い不快感を感じ、長期間日常生活で困っているケースがあります。
そのような場合には、症状が出ている場所だけではなく、首・背中・骨盤・下肢などを含めて身体全体を確認し、その人にみられる緊張や身体の使い方を探していくことも一つの考え方です。
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