
名古屋市緑区の鍼灸院【自律神経専門】
鍼灸TAKA
〒458-0924 愛知県名古屋市緑区有松3408(名鉄本線有松駅から徒歩8分)
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来院する約半年前、仕事上のトラブルをきっかけに強いストレスを感じていた時期に、突然「呼吸ができない」と感じる症状が現れました。
それまでにも胸のあたりに何ともいえない不快感や鼻づまりがあり、これらは3~4年ほど前から続いていました。しかし、仕事のトラブル以降はそれまでとは違う呼吸のしづらさが加わり、不安感や喉の違和感、めまいなど、複数の症状を感じるようになりました。
特に呼吸のしづらさは1日に1回程度現れ、「また息が苦しくなるのではないか」という不安を感じることもありました。
また、高速道路を走っている時などに、突然背中が数秒間ゾクゾクするような感覚が出たり、ときどきお腹が痙攣するように動いたりすることもありました。
医療機関を受診したところ、当初は自律神経失調症と診断され、その後、パニック障害の疑いがあると説明を受けました。
一方で、診断を受けたことによって「原因の分からない症状ではない」と感じられたことが安心につながり、徐々に食欲も戻ってきました。来院時には発症当初と比較すると日常生活で症状を気にする時間は少なくなっていましたが、呼吸のしづらさや胸部の不快感、不安感などは残っていました。
薬や経過観察だけではなく、身体の緊張という別の方向からも状態を整えたいと考え、当院へ来院されました。
週1回 計5回
●初診時の所見
今回の症例で特に着目したのが、呼吸に関係する胸部・背中・腹部の緊張でした。
身体を確認すると、左側の肩甲骨の内側に強い緊張があり、さらに鎖骨の下にも硬さがみられました。
加えて、肋骨付近から上腹部にかけても張りがあり、本人にもお腹が張っている感覚がありました。
不安感やパニック症状というと、精神的な問題だけに目が向きやすくなります。しかし、強いストレスが続いている人の身体を触診すると、首肩や背中、胸部、腹部などに強い緊張がみられることがあります。
今回の患者さんの場合も、仕事上のトラブルという精神的な負担だけではなく、実際に呼吸に関係する胸郭周囲や腹部に緊張が残っていることが特徴的でした。
呼吸をするときには胸だけではなく、肋骨や横隔膜、腹部などが連動して動きます。
ところが、胸や背中、腹部に力が入り続けていると、深く息を吸おうとしても身体が十分に広がりにくくなり、「息を吸いにくい」「呼吸が浅い」「胸が詰まる」といった感覚につながることがあります。
そして呼吸の違和感を感じることで不安になると、さらに身体へ力が入り、呼吸が浅くなる――。
今回の症例では、このような「不安→身体の緊張→呼吸のしづらさ→さらに不安になる」という悪循環が、症状を長引かせる一つの要因になっている可能性を考えました。
● 施術内容と経過
そのため当院では、「パニック障害だから不安を抑える」という考え方だけではなく、まず呼吸を妨げている可能性のある身体の緊張を緩和することから施術を始めました。
初回は手と下腿のツボを中心に鍼を行いました。
顔や胸、腹部など症状を感じている場所へ多くの鍼をするのではなく、身体全体の状態を確認しながら、離れた場所にあるツボを使って背中や胸部、腹部の緊張を緩めることを目的としました。
初回施術後には、本人から「お腹の張りが楽になった」という変化が聞かれました。
呼吸そのものがその場ですべて改善したわけではありませんでしたが、初診時に確認していた腹部の張りに変化がみられたため、この方向性で施術を継続することにしました。
2回目以降も、身体の緊張をその都度確認しながら、手・下腿・骨盤周囲などのツボを使って施術を行いました。
施術を重ねるにつれて、それまで1日1回程度感じていた呼吸のしづらさが徐々に減っていきました。
「また呼吸が苦しくなるかもしれない」と身体の状態を常に気にしていた時間も少なくなり、日常生活の中で呼吸を意識せずに過ごせる時間が増えていきました。
症状が落ち着いてからも経過を確認しながら施術を続け、計5回の施術で呼吸のしづらさをはじめとする症状は大幅に軽減しました。
施術期間中に大きな症状の再燃や、新しい症状の出現はみられませんでした。
合谷
手にあるツボ、経絡(東洋医学的な身体のつながり)を利用し、鎖骨下~胸部・上腹部の緊張を整える目的で使用しました。
玉竧
下腿にあるツボ。経絡を利用し、背中の緊張を整える目的で使用しました。
胞肓
臀部・骨盤周囲にあるツボです。骨盤周囲の筋緊張を整えることで姿勢を調整し、背中や首肩、腹部へかかる負担を軽減することを重視しています。
今回の症例は、仕事上のトラブルをきっかけに突然呼吸ができない感覚が現れ、その後、自律神経失調症、パニック障害の疑いと診断された30代男性の症例でした。
特徴的だったのは、不安感やめまいといった症状だけではなく、肩甲骨の内側、鎖骨下、肋骨付近の腹部に明確な緊張が確認できたことです。
パニック障害では、突然の息苦しさや動悸などを経験したことで、「また同じ症状が起こるのではないか」と呼吸や身体の変化に敏感になることがあります。
しかし、そこで不安感だけに着目するのではなく、実際に身体を確認してみると、呼吸をするときに動く胸部・背中・腹部が緊張しているケースもあります。
今回の患者さんでは、
仕事上の強いストレス
↓
背中・胸部・腹部に力が入りやすくなる
↓
呼吸が浅くなり、息のしづらさや胸部の不快感を感じる
↓
呼吸への不安が強くなる
↓
さらに身体が緊張する
という悪循環が症状を長引かせていた可能性を考えました。
そこで鍼灸TAKAでは、不安感そのものを無理に抑えようとするのではなく、まず「自然に呼吸しやすい身体の状態をつくること」を施術の一つの目標としました。
手や下腿、骨盤周囲のツボを使って身体の緊張を整えたところ、最初に腹部の張りが軽減し、その後、施術を重ねるにつれて日常的な呼吸のしづらさも減少しました。
パニック障害や強い不安感では、精神面と身体面を完全に分けて考えることはできません。医療機関で必要な診断や治療を受けることを前提としながら、首肩や背中、胸部、腹部などに残っている身体の緊張を確認することも、症状を考えるうえで一つの重要な視点になります。
鍼灸TAKAでは、「パニック障害」という診断名だけを見るのではなく、なぜ呼吸がしづらくなっているのか、どこに力が入り続けているのかを身体から確認し、一人ひとりの状態に合わせて施術を行っています。
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